ホーチミン・サイゴンの生活ガイド | 日常で役に立つ現地の暮らし情報
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アオザイの意味と特徴、着られる場面をご紹介

ベトナムと聞いて、まず思い浮かぶもののひとつがアオザイではないでしょうか。すらりとした立ち姿の、あの衣装です。
ただ、名前は知っていても「どういう服なのか」「今も着られているのか」と聞かれると、意外と答えにくいものです。写真で見たことはあっても、成り立ちや着る場面までは知らない——そんな方が多いと思います。
先にお伝えすると、アオザイは博物館の中の衣装ではありません。今もベトナムの街で、制服として、式典の装いとして、日常的に着られています。ホーチミンを歩いていれば、実際に目にする機会があります。
今回はまいぷれ編集部が、アオザイの特徴と構造、着られる場面、そしてホーチミンで自分が着てみる方法までご紹介します!見るだけでなく、旅の思い出として袖を通すところまでお伝えします。
結論|アオザイは「上衣+ゆったりしたズボン」の二部式。今も現役の衣装で、旅行者がレンタルして着ることもできます
アオザイ(Áo dài)は、ベトナムの民族衣装です。名前そのものに意味があり、「Áo」が上衣、「dài」が長いを表します。つまり「長い上衣」という、そのままの呼び名です。
日本語では「アオザイ」と表記しますが、南部と北部で読み方の響きが少し違います。ホーチミンのある南部では「アオヤイ」に近く聞こえることもあります。どちらでも通じますので、心配は要りません。
大切なのは、これが「昔の服」ではないということです。日本の着物が特別な日の装いになったのに対し、アオザイは今も現役で着られています。学校の制服として、式典の正装として、ホテルや航空会社の制服として。暮らしの中に残っている衣装です。
なお、ベトナムは多民族の国です。外務省の資料によれば、キン族(越人)が約86%を占め、ほかに53の少数民族が暮らしています。アオザイは主にキン族の衣装として広まったもので、少数民族の方々にはそれぞれ別の伝統的な装いがあります。「ベトナムの衣装=アオザイだけ」ではない、という点は覚えておきたいところです。
民族構成の出典:外務省「ベトナム基礎データ」(令和6年11月20日)
写真では一枚の長いドレスのように見えますが、アオザイは上下2つに分かれています。ここが最初の意外な点かもしれません。
| 部分 | 特徴 |
|---|---|
| 上衣 | くるぶし近くまで届く長い丈。体の線に沿った細身の仕立てです |
| スリット | 両脇が腰のあたりまで深く開いています。ここがアオザイ最大の特徴です |
| 襟 | 首に沿って立つ高い襟(チャイナカラーに近い形)。姿勢が自然と伸びます |
| ズボン | ゆったりとした幅広のパンツを合わせます。素材は上衣と同系色が多いです |
| 素材 | 絹などの薄手の生地。暑い気候に合わせて通気性が保たれています |
この「体に沿う上衣」と「ゆったりしたズボン」の組み合わせが、アオザイのシルエットを作っています。上は細く、下はゆったり。歩くとスリットから裾が揺れ、独特の立ち姿になります。
そして注目したいのが暑さへの対応です。ホーチミンは一年を通して最高気温が31度を下回りません。それでも着ていられるのは、薄い生地と、脇の深いスリットが風を通すからです。見た目の美しさと、熱帯で過ごす実用性が両立している——ここがアオザイのよくできているところです。
なお、アオザイは体に合わせて仕立てるのが基本です。既製品もありますが、本来は採寸して作るもの。「その人のために作られた服」という性格が強い衣装です。
ホーチミンを歩いていると、実際にアオザイを着ている方を見かけます。主な場面を挙げます。
1.学校の制服:高校などで、白いアオザイを制服としている学校があります。白い装いの生徒が並んで歩く光景は、この国ならではです。朝夕の通学時間に見かけることがあります。
2.式典や結婚式:人生の節目の場で着られます。赤や金の華やかな色柄のものが多く、日常のアオザイとは印象が変わります。
3.接客の制服:ホテル、航空会社、レストランなどで制服として使われています。旅行者がいちばん目にする機会が多いのは、この場面かもしれません。
4.テト(旧正月):年に一度の大きな行事の時期には、街でアオザイ姿が増えます。花市で写真を撮る人たちの装いとしても選ばれます。
こうして見ると、「特別な日の正装」と「日々の制服」の両方を担っていることが分かります。日本の着物とも、西洋のドレスとも違う立ち位置です。
写真を撮りたくなる場面もあると思いますが、通学中の生徒や、働いている方にカメラを向けるのは避けてください。特に学校の周辺では配慮が必要です。風景の一部として遠景に写るのと、人を被写体にするのは別のことだとお考えください。

アオザイというと女性の衣装という印象が強いのですが、男性が着るアオザイもあります。知らない方が多いところです。
女性用との違いを挙げると、次のようになります。
| 項目 | 男性のアオザイ |
|---|---|
| シルエット | 体の線を強調せず、ゆったりとした直線的な仕立て |
| 丈 | 女性用よりやや短めのものが多いです |
| 色柄 | 濃紺、深緑、えんじなど落ち着いた色が中心 |
| 着る場面 | 結婚式、式典、伝統行事など。日常着として見かける機会は多くありません |
男性のアオザイは、女性用にくらべると着る場面が限られています。ふだん街で見かけることは多くありませんが、結婚式では新郎が着ることがあり、伝統的な行事でも用いられます。
レンタル店では男性用を扱っているところもあります。ご夫婦やカップルで旅行される方は、2人そろって着てみるのも記念になりますよ。
ここからが実践編です。旅行者がアオザイを着る方法は、大きく2つあります。
■ 1.レンタルする
いちばん手軽な方法です。ホーチミンにはアオザイのレンタルを扱う店があり、着付けと撮影がセットになったプランを用意しているところもあります。
流れとしては、店で衣装を選ぶ → 着付けてもらう → そのまま街や指定の場所で撮影という形が一般的です。数時間から一日単位で借りられるため、旅程に組み込みやすいのが利点です。
■ 2.仕立ててもらう
アオザイは本来、採寸して作る衣装です。ホーチミンには仕立て屋があり、生地を選んで自分用に作ってもらうこともできます。
ただし日数がかかります。採寸から仕上がりまで数日を見ておく必要があるため、短い日程の旅行には向きません。滞在が長い方や、再訪の予定がある方向けの選択肢です。
■ 着るときに知っておきたいこと
1.サイズは体に沿います:アオザイは細身の仕立てです。レンタルでも、体に合うサイズがあるかを事前に確認しておくと安心です。
2.履物も合わせて:アオザイにはヒールのある靴が合わせられることが多いです。レンタルに履物が含まれるかどうかも確認しておきましょう。
3.暑さ対策を忘れずに:薄手とはいえ、屋外での撮影は体力を使います。水分を持ち、日中のいちばん暑い時間は避けるのがおすすめです。
4.敬意を持って着る:アオザイはベトナムの人々にとって大切な衣装です。着崩したり、ふざけた着方をしたりするのは避けてください。きちんと着れば、現地の方にも喜ばれます。
撮影場所としては、コロニアル建築の並ぶ通りや、歴史ある建物の前が人気です。当サイトでは街歩きの記事もご用意していますので、撮影スポット選びの参考にしてみてください。
アオザイの特徴と、着られる場面、そしてホーチミンで体験する方法をご紹介しました。
おさらいすると、アオザイは「長い上衣」という意味の、上下2つに分かれた衣装です。体に沿う細身の上衣と、ゆったりしたズボン。脇の深いスリットが、あの独特のシルエットを作っています。
そして何より、今も生きている衣装だということ。制服として、式典の装いとして、街の中で着られ続けています。写真の中の民族衣装ではありません。
ホーチミンではレンタルもできますので、旅の思い出に袖を通してみてはいかがでしょうか。着てみると、風の通り方や歩き方まで含めて、この衣装が熱帯の国で愛されてきた理由が分かりますよ。ぜひ体験してみてくださいね!
※本記事のアオザイに関する記述は、旅行者向けの一般的な解説です。民族構成については外務省「ベトナム基礎データ」(令和6年11月20日)によります。レンタルや仕立ての内容・日数は店舗により異なりますので、詳しくは各店舗にご確認ください。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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