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ベトナム渡航前の予防接種と気をつけたい病気|外務省の情報から

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渡航前に検討したい予防接種と現地での注意点をご紹介

ベトナム行きが決まって、「予防接種は受けたほうがいいのだろうか」と気になっている方も多いと思います。短い旅行なのか、長く住むのかによっても、考え方は変わってきます。

 

この記事では、外務省が公表している「世界の医療事情」の情報をもとに、ベトナムで気をつけたい病気と、予防接種が勧められているものを整理してご紹介します。

 

ただし最初にお断りしておきます。まいぷれ編集部は医療の専門家ではありません。この記事は「何を医師に相談すればよいか」を知っていただくためのものです。実際に接種を受けるかどうかは、必ず渡航外来やかかりつけの医師にご相談ください。

 

そのうえで、予防接種以外にも、日々の行動で防げることがたくさんあります。そちらもあわせてお伝えします。

結論|短期旅行なら手洗いと蚊対策が中心。長期滞在なら、渡航外来で予防接種を相談してください

外務省が予防接種を勧めている病気

外務省の「世界の医療事情」には、ベトナムで注意すべき病気が挙げられています。そのうち予防接種について言及されているものを整理しました。

 

病気外務省の記載
A型肝炎汚染された水や食品から感染。「感染リスクの高い国と言われているので、A型肝炎の予防接種が勧められています」
腸チフス「当地は腸チフス汚染地域に指定されているので注意が必要です。予防接種が有効です」
日本脳炎都市部のリスクは高くないが、「発症した場合の死亡率は約30%、半数近くに後遺症が残るといわれているので、予防接種を受けておくことをお勧めします」
狂犬病全土で確認。リスクのある動物と接する機会が多い場合などは「予めワクチンの接種を受けておくことが勧められます」
B型肝炎慢性患者が約780万人。「ワクチンで予防可能ですので、予防接種が重要です」
麻疹成人でも免疫がないと重篤化。「予防接種歴の確認が重要です」

出典:外務省「世界の医療事情 ベトナム」

 

この表は「相談すべき項目のリスト」としてお使いください。どれを接種するかは、滞在期間、行き先、年齢、これまでの接種歴、体質によって変わります。接種には回数と間隔が必要なものもあり、出発の直前では間に合わない場合があります。渡航が決まったら、早めに渡航外来やかかりつけの医師にご相談ください。

 

なお外務省は、健康上心がけることとして「在外生活では病気の予防がきわめて重要です。赴任前の予防接種、定期的な健康診断」を挙げています。短期の旅行と、駐在などの長期滞在では、備え方が変わるということです。

デング熱|雨季に流行します

旅行者にとって、いちばん身近な感染症のひとつがデング熱です。蚊を介して感染するウイルス感染症で、外務省は次のように記しています。

 

「2022年の保健省の報告では、ベトナム国内で約37万人が罹患し151名が死亡しています。ベトナム全土に感染のリスクがあり、蚊の発生しやすい6月から11月の雨期に流行がみられます」

 

ここで注目していただきたいのが流行の時期です。6月から11月とされていますが、これはホーチミンの雨季(5月~11月)とほぼ重なります。雨季に旅行される方は、特に意識しておきたいところです。

 

外務省は、重症化した場合について「出血傾向を伴うデング出血熱やデングショック症候群は、生命に関わることもあり得るので、医療機関での慎重な経過観察が必要となります」としています。

 

対策として外務省が挙げているのは、「長袖・長ズボンの着用や防虫スプレーの使用など」です。つまり蚊に刺されないことが基本ということになります。

 

実際にできることを挙げます。

 

1.虫よけを持っていく:屋外で過ごす時間が長い日は、こまめに使ってください。

2.夕方以降は肌を出しすぎない:薄手の長袖が1枚あると、冷房対策と兼ねられます。

3.水辺や緑の多い場所では特に注意:蚊が発生しやすい環境です。

4.帰国後の発熱に注意:潜伏期間があります。帰国後に発熱したら、ベトナムに滞在していたことを必ず医師に伝えてください。

 

4つ目はとても大切です。渡航歴を伝えるかどうかで、診断までの時間が変わります。

食べ物と水から来るもの

外務省は、「下痢は当地ではきわめて日常的な病気です」と率直に記しています。

 

原因として挙げられているのは細菌性食中毒、ノロウイルス感染症など。「衛生状態の悪い環境では細菌性赤痢、アメーバ赤痢もみられます」とされ、寄生虫症もまれな病気ではないと書かれています。

 

また、A型肝炎は汚染された水や食品(魚介類、野菜など)を摂取することにより感染するとされ、腸チフス汚染地域にも指定されています。

 

では、どうすればよいか。難しいことではありません。

 

場面できること
飲み水密封されたボトルの水を選ぶ。歯磨きも気になる方はボトルの水で
食事加熱されたもの、できたてのものを選ぶ。作り置きが常温で置かれているものは避ける
生もの体調に不安があるときは、生野菜や魚介の生食を控える判断も
果物皮をむくものは比較的安心です
手洗い食事の前に。手指の消毒用品を持っていると、屋台でも安心です

 

ただし、「怖いから何も食べない」というのは、旅としてもったいない話です。ベトナムの食は、この国を訪れる大きな楽しみのひとつです。

 

現実的な線引きとしては、「人が多く入っていて、その場で調理しているところを選ぶ」という考え方があります。回転がよければ、作り置きの時間も短くなります。体調と相談しながら、無理のない範囲で楽しんでください。

 

なお整腸剤や常備薬は、日本から持っていくほうが安心です。飲み慣れたものがあると、体調を崩したときの不安が違います。

動物には近づかない|狂犬病

日本では身近でない病気ですが、狂犬病はベトナム全土で確認されています。外務省によれば2023年の死亡者は82人でした。

 

感染するのは、ウイルスを保有しているイヌ、ネコ、コウモリ、サルなどに咬まれることによります。街で見かける動物に、不用意に手を出さないことが基本です。

 

旅先では、かわいい犬や猫を見かけると触れたくなるものです。ですが、ここは我慢してください。相手が飼い犬に見えても、判断はつきません。

 

万一、動物に咬まれてしまったら。外務省は「直ちに傷口をよく洗い、できればアルコール消毒し、速やかに医療機関を受診して発症を予防するための複数回の予防接種(暴露後接種)等の処置を受ける必要があります」としています。「かすり傷だから」と様子を見ないでください。すぐに医療機関へ向かってください。

 

なお外務省は、リスクのある動物と接する機会が多い場合や、咬まれてもすぐに医療機関を受診できない環境で生活する場合には、あらかじめワクチンの接種を受けておくことが勧められるとしています。都市部に短期滞在する旅行者と、地方で活動する方とでは、判断が変わるということですね。ここも医師にご相談ください。

 

マラリアについても触れておきます。外務省は「ハノイ、ホーチミン、ダナン、ハイフォンなどの都市部(中略)でのリスクは極めて低いです」としています。ホーチミン市内の観光であれば、過度に心配する必要はありません。ただし中部高原や東南部などの地方(農山村地帯)では注意を要するとされていますので、地方へ足を延ばす予定がある方は事前にご相談ください。

実は交通事故がいちばん身近なリスク

感染症の話が続きましたが、外務省が「世界の医療事情」の中で、感染症と並べて挙げているのが交通事故です。ここは見落とされがちなところです。

 

外務省の記載を引用します。「2023年の交通事故発生件数は、2万件、年間死亡者数は1万人でした。頭部外傷が全死因の上位にあり、歩行や自転車やオートバイ利用の際に交通事故に巻き込まれるリスクも高く、邦人の事故も発生しており、日頃から注意深い対応が求められます」

 

年間1万人という数字は、この記事で紹介したどの感染症よりも大きなものです。そして旅行者が実際に遭遇する可能性がいちばん高いのも、この場面だといえます。

 

ホーチミンを訪れた方が最初に驚くのが、バイクの多さと、道路を渡るときの緊張感です。信号のない場所を渡る機会もあります。

 

できることを挙げます。

 

1.道路を渡るときは、急に走らない:バイクは動きを予測して避けていきます。急な動きがいちばん危険です。

2.スマートフォンを見ながら歩かない:防犯の面でも、安全の面でも同じ結論になります。

3.バイクに乗るときはヘルメットを:外務省は頭部外傷が全死因の上位にあると記しています。

4.慣れないうちは、現地の人の後ろについて渡る:実際に有効な方法です。

 

そして海外旅行保険です。予防接種の相談と同じくらい、出発前に必ず確認しておいていただきたいところです。ケガでも病気でも、現地で医療を受ける可能性は誰にでもあります。

まずは渡航外来に相談しよう!

ベトナムで気をつけたい病気と、予防接種についてご紹介しました。

 

整理します。予防接種が言及されているのは、A型肝炎、腸チフス、日本脳炎、狂犬病、B型肝炎、麻疹。ただしどれを受けるかは、滞在期間や行き先、接種歴によって変わります。必ず医師にご相談ください。接種には回数と間隔が必要なものもあるため、早めの相談が大切です。

 

日々の行動でできることは、蚊に刺されない。加熱されたものを食べる。手を洗う。動物に触らない。道路を渡るときに気をつける。この5つです。短期の旅行なら、ここを押さえておけば大きく外れません。

 

むやみに怖がる必要はありません。知って備えれば、ほとんどは避けられることばかりです。準備を整えて、安心してベトナムを楽しんでくださいね!

 

※本記事は、外務省「世界の医療事情 ベトナム」の公表内容をもとにした一般的な情報提供です。まいぷれ編集部は医療の専門機関ではありません。予防接種の要否、種類、時期については、必ず渡航外来やかかりつけの医師にご相談ください。また、体調に異変を感じた場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。感染症の流行状況は変化します。渡航前に最新の情報をご確認ください。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。