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ホーチミンのメトロ1号線|日本がつくったベトナム初の地下鉄

(更新)

メトロ1号線の区間と、旅行者の使いどころをご紹介

ホーチミンといえば、バイクの大群が行き交う街——そんな印象をお持ちの方が多いと思います。実際、長いあいだ市民の足はバイクでした。

 

その風景が、いま変わりつつあります。2024年12月22日、ホーチミンにメトロ1号線が開業しました。ベトナムで初めての地下鉄です。

 

そしてこの路線には、日本人として知っておきたい背景があります。日本のODA(政府開発援助)によって整備された路線で、在ベトナム日本国大使館は「日本からのベトナムに対するODAプロジェクトで最大のもの」と紹介しています。

 

今回はまいぷれ編集部が、1号線がどこからどこまで走っているのか、旅行者はどう使えるのかをご紹介します!まだ「街のすべてをカバーする路線網」ではありませんので、その点も正直にお伝えします。

結論|まだ1路線のみ。観光の足として万能ではありませんが、中心部から郊外へ抜けるときに便利です

1号線はどこを走る?|区間と規模

まず、路線の全体像です。

 

項目内容
開業日2024年12月22日
区間ベンタイン駅 ~ スオイティエン駅
全長約20キロメートル
駅数14駅
地下区間市中心部の約2.5キロ(3駅分)。それ以外は高架を走ります
位置づけベトナム初の地下鉄

出典:在ベトナム日本国大使館「ホーチミンメトロ1号線が開業しました」(令和6年12月22日)/JICA プレスリリース(2024年12月25日)

 

ここで押さえておきたいのが、全線が地下ではないという点です。「ベトナム初の地下鉄」と紹介されますが、地下を走るのは市中心部の約2.5キロ、3駅分だけ。それ以外の区間は高架を走ります。

 

これは旅行者にとって、むしろ良い知らせです。高架区間からは街の景色が見えます。バイクの流れ、建物の連なり、川。移動しながらホーチミンを眺められる——観光の一部として楽しめる路線だということです。

 

起点となるベンタイン駅は、1区の中心部にあります。ベンタイン市場のあるエリアで、観光の拠点から乗れるのは便利なところです。終点のスオイティエンは市の北東部にあたります。

日本のODAで整備された路線です

この路線には、日本が深く関わっています。

 

在ベトナム日本国大使館は、開業に際して次のように述べています。「日本からのベトナムに対するODAプロジェクトで最大のものであり、まさに日本とベトナム間の友好と協力の象徴です」。

 

整備はJICA(国際協力機構)の円借款事業として進められ、ホーチミン市都市鉄道管理局と日本企業が事業に従事しました。日本の技術と資金でつくられた鉄道が、ベトナムで最初の地下鉄になった——そういう路線です。

 

開業式典には駐ベトナム日本国大使も出席し、大使館の発表によれば「電車にも初めて乗車し、その乗り心地の良さに感心する」とともに、市民の生活が大きく変わることを確信したとされています。

 

日本から訪れる方にとって、この背景を知って乗るのと、知らずに乗るのとでは、感じ方が変わるのではないでしょうか。日本の関わりが、目に見える形で残っている場所です。ホーチミンには日本人街もあり、日本食の店も多くありますが、この路線もまた両国のつながりの一つの形だといえます。

旅行者にとっての使いどころ

正直にお伝えします。現時点では1路線しかありません。東京や大阪のように「どこへでも地下鉄で行ける」という状態ではないのです。

 

そのうえで、向いている場面と向いていない場面を整理します。

 

場面評価
沿線へ行く向いています。渋滞に左右されず、時間が読めます
体験として乗るおすすめです。高架区間から街を眺められます
暑さを避ける車内は冷房が効いています。日中の移動が楽になります
1区内の移動駅が限られるため、徒歩や配車アプリのほうが早いことが多いです
空港へのアクセス1号線は空港に直結していません。空港へは別の手段が必要です
沿線以外へ行く路線が1本のため、カバーできる範囲は限られます

 

とくに大事なのが、空港アクセスの行です。「メトロができたから空港からも電車で行けるだろう」と考えていると、当てが外れます。タンソンニャット空港と1号線はつながっていません。空港からの移動は、配車アプリやタクシー、送迎を使ってください。

 

いっぽうで「渋滞に左右されない」という利点は大きいものがあります。ホーチミンは渋滞の多い街で、朝夕や雨の時間帯は所要時間が読めません。沿線に用があるなら、メトロは確実な選択肢です。

乗る前に知っておきたいこと

実際に乗るときのために、いくつか押さえておきましょう。

 

1.きっぷと運賃:運賃や購入方法は変更されることがあります。本記事では金額を記載していません。駅の券売機や窓口の案内、公式の情報でご確認ください。開業からまだ日が浅い路線のため、支払い方法が拡充されていく可能性もあります。

2.運行時間:始発と終電の時刻も、公式の案内でご確認ください。夜遅くの移動を予定している場合は、事前に確認しておくほうが安心です。

3.荷物:大きなスーツケースを持っての乗車は、混雑時には周囲の負担になります。荷物が多いときは配車アプリのほうが快適です。

4.持ち物の管理:外務省は、ホーチミン市の置き引き被害の多発場所として「列車、バス内」を挙げています。車内でも荷物から目を離さないでください。スマートフォンを手に持ったままの居眠りは避けましょう。

5.冷房対策:車内は冷房が効いています。薄手の羽織り物があると快適です。外が33度でも、車内は寒く感じることがあります。

 

置き引きに関する出典:外務省 海外安全ホームページ「ベトナム 安全対策基礎データ」(2026年3月13日更新)

これから街はどう変わるか

メトロの開業は、ホーチミンにとって単なる交通手段の追加ではありません。

 

在ベトナム日本国大使館は、開業にあたって次のように述べています。「この鉄道はホーチミン市民の通勤、通学の足となり、従来のバイクを中心とする交通手段からの転換が起こります。これにより、ホーチミン市内の交通渋滞や大気汚染の改善に貢献することが期待されます」。

 

バイク中心の街から、鉄道のある街へ。これは街の姿そのものが変わっていく話です。

 

実際、ホーチミンを訪れた方の多くが最初に驚くのが、バイクの数と、道路を渡るときの緊張感です。渋滞も日常的で、雨が降れば所要時間は大きく延びます。その状況を変えうる存在として、メトロが動き始めました。

 

今はまだ1路線です。しかし「最初の1本が通った」という段階に、いま立ち会えるということでもあります。数年後に再訪したとき、街の景色がどう変わっているか。その前の姿を見ておける時期だと考えると、今回の旅の意味も少し変わってきますね。

一度は乗ってみてほしい路線です!

ホーチミンのメトロ1号線について、区間と使いどころをご紹介しました。

 

おさらいすると、2024年12月22日開業、ベンタイン~スオイティエンの約20キロ・14駅。地下は中心部の3駅分だけで、あとは高架を走ります。そして日本のODAで整備された、ベトナム初の地下鉄です。

 

観光の足として万能ではありません。空港には直結していませんし、路線は1本だけです。それでも、渋滞に左右されない移動手段があること、そして高架から街を眺められることは、旅行者にとって十分に価値があります。

 

何より、日本の関わりが形になって走っている路線です。ホーチミンを訪れたら、一区間でも乗ってみてください。窓の外を流れるバイクの群れを眺めながら、この街が変わっていく途中にいることを感じられるはずですよ!

 

本記事の路線情報は、在ベトナム日本国大使館「ホーチミンメトロ1号線が開業しました」(令和6年12月22日)およびJICAの公表資料にもとづいています。運賃・運行時間・駅の運用は変更される場合があります。ご利用の際は、駅の案内や公式情報で最新の内容をご確認ください。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。